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2019年11月5日
犬の病気の中でも、特に食事管理が重要視される病気が腎臓病です。
犬の腎臓は、尿を排泄する過程で犬の体に不要である老廃物や毒素を排泄するという重要な役割を補っており、それ以外にも赤血球を作り出す、血圧の調整をするなど多くの役割を果たしています。
犬が腎臓病になってしまった場合は、腎臓に負担をかける栄養素を出来るだけ制限して腎臓の健康を強化するための栄養素を取り入れることが大切です。
今回は、腎臓病の犬のための食事の基本について幅広くご紹介致しますので、是非ご活用ください。
腎臓病の犬にとってはタンパク質の制限が非常に大切です。
よく血液検査でクレアチニン数値を犬の腎臓の健康指数としますが、このクレアチニンとは簡単に言うとタンパク質の老廃物であると考えられます。
そのため、体に不要なタンパク質の老廃物を減らすためには食事で摂取するタンパク質量を少なめに調整しなくてはいけません。
それ以外にもタンパク質に含まれる窒素にも注意が必要です。
犬の腎臓内で窒素はろ過され尿として排出されますが、タンパク質量が多い食事で窒素量が増えると腎臓病で弱った腎臓がより激しく機能せざるを得ない状況になってしまいますので、タンパク質量の多い食事は腎臓に負担をかけてしまいます。
犬にとって必須ミネラルの一種であるナトリウムですが、特に末期の腎臓病の犬の場合はしっかりと制限しなければいけません。
犬の腎臓には「ネフロン」と呼ばれる物質が機能していますが、これは尿を作る上で非常に大切な物質です。
「ネフロン」は尿を作り出す時に血液ろ過を行うために機能し、これが機能することによって犬は体に不必要なナトリウムを排出することが出来る仕組みになっています。
末期の腎臓病の犬の場合は腎臓機能が弱っているため、必要以上に食事で摂取したナトリウムを上手に体外に排出できなくなってしまいますので、ナトリウムの制限が必要になります。
リンは主に犬の骨や歯の形成に必要なミネラルに含まれる栄養素ですが、リンが多い食事は腎臓病を悪化、また腎臓病を引き起こしやすいと言われています。
ナトリウム同様に、腎臓病によって腎機能が低下している犬の場合は体に余分なリンを上手に排出できなくなってしまうので、出来る限り食事でリンを制限してあげる必要があります。
オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)とは、青魚や亜麻仁油、クルミ、荏胡麻油などに多く含まれる栄養素で、体で起こっている炎症を抑えてくれ抗酸化作用も期待できます。
腎臓内の「ネフロン」について先述でご紹介致しましたが、腎臓病の犬の場合はこの「ネフロン」の毛細血管が高血圧により炎症を起こしやすい状態になりますので、毛細血管の健康維持にとってもオメガ3脂肪酸が含まれる食事が好ましいと言えます。
今回は腎臓病の犬の食事についてご紹介致しましたが、腎臓病の場合は動物病院での投薬に合わせて食事管理がとても大切になります。
制限する栄養素と補給したい栄養素を考慮しながらバランスの良い食事管理を行ってあげましょう。
プロフィール
ペットライフ吉造 代表 上野 亮二
ペットライフ吉造では、ペットトレーニング、ペットホテルサービスを行っています。飼い主さまが困った時にすぐに手を伸ばせられる存在でありたいと思っています。
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