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肝臓病の犬のための食事

2019年10月27日

「沈黙の臓器」

肝臓は非常に我慢強い臓器で「沈黙の臓器」と呼ばれ、犬の肝臓病については初期症状に気づく飼い主さんは非常に少ないと言われています。

気づいた時には病気が進行していることが多いので、その場合は治療に合わせて食事管理を並行して行うことがとても重要になります。

今回は、肝臓病の犬のための食事の基本についてご紹介致しますので、肝臓病の愛犬を抱えている飼い主さんは是非参考にしてください。

動物病院の写真

低タンパク質の食事にしよう!

重度の腎臓病の犬はアンモニア解毒ができない…

通常犬の肝臓では、食事でタンパク質を摂取して体内で代謝した時に発生するアンモニアを解毒しますが、重度の腎臓病の犬の場合はこのアンモニアの解毒が出来なくなります。

このアンモニアが解毒できない状態になると、高アンモニア血症を引き起こす要因となるため、低タンパク質の食事を心がける必要があります。

しかしながら、タンパク質は犬の体の約20%程度を占めると言われている重要な栄養素ですので、タンパク質量が低ければ低い程良いというわけではありません。

肝臓病の進行度合いに合わせて適度にタンパク質量を減らすことと、いかに良質なタンパク質(犬が消化しやすい良質な動物性タンパク質)を与えるかがポイントになります。

カルニチンが摂取できる食事にしよう!

犬の肝臓をサポート

カルニチンとはビタミン様物質と呼ばれる栄養素で、犬の肝臓をサポートするための療法食には大抵の場合配合されています。

この栄養素は、脂肪を代謝したりエネルギーを産生させたりするために必要不可欠な栄養素で、肝臓病によって脂肪の燃焼力が弱まっている犬には重要な栄養素です。

ドッグフードの写真

脂肪分が少なめの食事を与えよう!

脂肪の燃焼力が弱まっている

胆管閉塞や脳性肝症を中心に重度の肝臓病の犬の場合は、肝機能低下によって脂肪の燃焼力が弱まっていることがあります。

そのため、脂肪分が多すぎる食事は肝臓に負担をかける、また過剰に摂取した脂肪が燃焼しきれない状況になるため、肝臓病の進行度合いに合わせて脂肪分を制限することが好ましいと言われています。

犬の写真

オメガ3脂肪酸が含まれる食事にしよう!

抗炎症作用が期待できる

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は主にクルミや亜麻仁油、荏胡麻油や青魚に多く含まれる栄養素で抗炎症作用が期待できると言われています。

肝臓病の犬の場合は多くの場合肝臓に炎症が起こった状態となるので、オメガ3脂肪酸の摂取が好ましいと言えます。

タウリンを摂取できる食事にしよう!

胆汁うっ滞の症状緩和に

アミノ酸の一種であるシステインという栄養素から作り出されるタウリンは、肝臓病の犬に現れやすい胆汁うっ滞(胆汁の流れが減少する、または停止してしまう状態)の症状緩和に役立つため食事で摂取させたい栄養素です。

タウリンは胆汁の代謝を促したり胆汁を排出したりするのに役立つので、肝臓病の犬の場合でドッグフードなどの食事に十分含まれていない場合は、サプリメントを活用するのも良いですね。

肝臓病の犬のための食事について基本事項をご紹介致しましたが、犬の肝臓は食事で摂取した様々な栄養素を分解、合成、また貯蔵するために重要な臓器です。

肝臓病になると体全体の栄養バランスが崩れがちですので、動物病院での治療に合わせて食事の工夫が大切です。

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